法令・手続き解説

解体に伴う土壌汚染調査|土地の形質変更前に発注者が確認すること

依
依田尚人

著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表

7分
目次

解体に伴う基礎撤去や掘削で一定規模以上の土地の形質変更を行う場合は、着手前の届出対象となるため、面積と土地条件を確認します。解体する建物の面積だけではなく、基礎・杭の撤去、掘削、整地を行う範囲を敷地図で捉えることが必要です。届出の要否は現場の条件で変わるため、発注者は見積を比較する前に確認する事項と確認する時期を分けて整理します。

ここでは、土壌の詳細調査や個別の該当判断には踏み込まず、解体の発注前に確認する入口を扱います。判断が必要な場合は、所管窓口または専門家へ確認してください。

確認した資料の名称と確認日を残し、発注時点で分からない事項は後から確認する順序を決めます。これにより、土地条件と建物解体の作業範囲を混同せずに整理できます。

解体と土地の形質変更の関係

基礎撤去・杭抜き・整地で確認する範囲

基礎撤去と杭抜きの範囲を確認する解体現場の図
基礎撤去と杭抜きの範囲を確認する解体現場の図

建物を解体した後に基礎コンクリートを撤去する、杭を抜く、地面を掘削する、整地するという作業は、土地の形質変更の範囲を確認する契機になります。建物本体の撤去範囲と、地面に手を入れる範囲は一致するとは限りません。敷地図に基礎、杭、外構、掘削予定箇所、整地予定箇所を重ね、予定面積を確認します。

土壌汚染対策法第4条第1項は、一定規模以上の土地の形質変更をしようとする者に届出を求めています。解体の見積では、地中の状態が確認済みか、基礎・杭の撤去を含むか、整地の範囲が未確定かを分けて記録します。建物の用途名だけで届出の対象を決めつけず、予定する作業と面積を確認します。

届出対象を確認する

土地条件を確認する

土地条件と予定面積を確認する図
土地条件と予定面積を確認する図

土壌汚染対策法施行規則第22条では、土地の形質変更に係る届出の対象規模を原則3,000平方メートル以上と定めています。一方、現に有害物質使用特定施設が設置されている工場・事業場の敷地、または使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場・事業場の敷地では、900平方メートル以上となる条件があります。面積基準は早見の入口として確認し、施設の使用状況や対象となる敷地を同時に確認します。

出典はe-Gov法令検索の土壌汚染対策法第4条および同施行規則第22条です。法律・施行規則の現行版施行日は2026-07-01、法律の改正公布日は2026-05-22、施行規則の改正公布日は2026-06-30、確認日は2026-09-05です。基準を満たすかの個別判断は、所管窓口または専門家へ確認してください。

区域指定の有無を確認する

土地が要措置区域または形質変更時要届出区域に指定されている場合には、土壌汚染対策法第12条第1項による別の届出条件があります。形質変更時要届出区域内で土地の形質変更を行うときは、着手日の14日前までに届出を行うこととされています。第4条の一般的な届出と同じ期限・条件だと考えず、区域指定の有無を事前に確認します。

区域内の作業の可否や届出の添付内容は、土地の状態と工事内容で確認が必要です。発注者は、区域指定の有無、確認した資料、確認日、所管窓口への照会が必要な点を、見積の前提条件として残します。工場・事業場の敷地では、施設の使用状況と予定する作業を同じ確認票で見ます。

着手前に確認する期限と提出先

着手予定日から逆算する

着手予定日から土地条件の確認を逆算する図
着手予定日から土地条件の確認を逆算する図

土壌汚染対策法第4条第1項の届出は、土地の形質変更に着手する日の30日前までに行うこととされています。建物を解体する工程だけでなく、基礎撤去、杭抜き、掘削、整地を開始する日を発注仕様で確認します。第12条第1項に関わる区域内の形質変更では14日前という別の期限があるため、一つの予定表に混ぜず、どの条件に対応する期限かを分けて記録します。

見積の提出時点で着手予定日が未確定なら、日付を仮定して届出要否を決めるのではなく、確定前であることと確認の期限を残します。工事全体の届出を義務者・期限別に確認する場合は、解体工事の届出一覧で整理できます。土地の形質変更に関する個別の該当判断は、所管窓口または専門家へ確認してください。

確認先と提出先を整理する

土地条件の確認先と提出先を整理する図
土地条件の確認先と提出先を整理する図

届出の提出先は都道府県知事であり、工事を予定する土地の所在地を基に確認します。発注者は、敷地の所在地、予定する形質変更の範囲、着手予定日、施設の使用状況、区域指定の有無を、確認先へ伝えられる状態に整理します。事実を確認する資料と、判断を依頼する事項を分けておくと、見積の条件を説明しやすくなります。

土地の形質変更に伴い知事が汚染のおそれの基準に該当すると認めるときは、土壌汚染対策法第4条第3項により指定調査機関による土壌汚染状況調査と結果の報告を命ずることができる枠があります。これは発注者が自ら調査の要否を断定する趣旨ではありません。調査の結果を受け取る範囲と発注条件への反映は、工事を行う者と所管窓口の確認に基づいて整理します。

発注仕様と見積に反映する

未確定事項を見積・発注条件に反映する

未確定の土地条件を見積へ反映する図
未確定の土地条件を見積へ反映する図

見積を比較するときは、基礎撤去、杭抜き、掘削、整地、地中の状態、区域指定、届出確認を一つの費目にまとめません。確認済みの条件、確認中の条件、確認後に範囲を見直す条件を分け、対象物と確認時期を同じ表へ記録します。未確定事項を削除して合計額だけを比較すると、後からどの条件が変わったのかをたどりにくくなります。

土壌に関する調査の費用や個別の作業方法は、建物の構造や現場条件によって異なります。このため金額を一律に示さず、どの作業が見積に含まれるか、結果が出た後にどの書面で工事範囲を確認するかを発注条件として残します。基礎・外構・地中状態は、対象物と確認時期を分けて記録します。

解体の準備では、石綿に関する調査結果と土地条件も別の確認事項です。材料の調査結果を受け取る範囲は、解体前の石綿事前調査|発注者が受け取る書面と確認する範囲で確認できます。どちらも結果が出る前に工事範囲を決めつけず、資料を受け取った後に見積や発注条件へ反映する項目を記録します。

予定面積を確認する際は、建物の外周だけでなく、撤去する外構、仮設のために手を加える範囲、掘削や整地を予定する場所を区別します。敷地全体の面積と、今回の土地の形質変更の予定範囲を混同しないことが、所管窓口へ確認する内容を整理する第一歩になります。図面と現地の状況に差がある場合は、確認できた範囲と確認が必要な範囲を分けて残します。

まとめ

解体に伴う土地の形質変更では、基礎撤去・杭抜き・掘削・整地の範囲、予定面積、施設条件、区域指定、着手日を先に確認します。確認できない事項は未確定の発注条件として残し、面積や期限の個別判断は所管窓口または専門家へ確認してください。法令・手続き解説と解体前の石綿事前調査|発注者が受け取る書面と確認する範囲、お問い合わせも確認に利用できます。

よくある質問

Q. 解体をするだけなら土壌に関する確認は不要ですか。
基礎撤去、杭抜き、掘削、整地など、土地の形質変更を予定する場合は、面積と土地条件を確認します。土壌汚染対策法第4条第1項の現行版を2026-09-05に確認し、一定規模以上の土地の形質変更に届出の枠があることを確認しました。個別の該当判断は所管窓口または専門家へ確認してください。
Q. 面積はどの基準で確認しますか。
土壌汚染対策法施行規則第22条では原則3,000平方メートル以上を対象規模とし、一定の工場・事業場の敷地では900平方メートル以上となる条件があります。建物の面積ではなく、予定する土地の形質変更の範囲と施設条件を確認します。出典は同施行規則の現行版で、確認日は2026-09-05です。
Q. 区域指定がある土地では何を確認しますか。
形質変更時要届出区域では、土壌汚染対策法第12条第1項による別の届出条件を確認します。区域内の土地の形質変更は、着手日の14日前までに届出を行うこととされています。区域指定の有無、工事範囲、着手日を確認し、個別の判断は所管窓口または専門家へ確認してください。

出典

  1. 1.
    土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
  2. 2.
    土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)