石綿を含む解体工事の14日前届出|発注者が確認する調査と手続
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
届出対象特定工事に関する14日前の届出は、石綿の事前調査そのものと同じ手続ではありません。大気汚染防止法では、元請業者が行う事前調査と発注者への書面交付・説明、発注者または自主施工者が行う届出を分けて定めています。発注者は、調査の説明を受ける記録と届出の確認を分け、着工日の前に未確認事項を整理します。

14日前届出の位置付けを確認する
届出を確認する際は、届出対象特定工事に該当するかどうか、誰が届け出るか、提出先はどこか、いつまでに確認するかを別々に記録します。発注者は、施工側が行う事前調査と、発注者または自主施工者が確認する届出を一つの担当として扱いません。
| 確認項目 | 根拠 | 主体 | 発注者が残す記録 |
|---|---|---|---|
| 事前調査 | 大気汚染防止法第18条の15第1項 | 元請業者 | 説明を受けた日と書面の名称 |
| 書面の交付・説明 | 大気汚染防止法第18条の15第1項 | 元請業者 | 範囲表と照合した内容 |
| 届出対象特定工事の届出 | 大気汚染防止法第18条の17第1項 | 発注者または自主施工者 | 対象、期限、提出先の確認日 |
| 工程の確認 | 案件の確認記録 | 発注者の案件担当 | 判断者と未確認事項 |
届出対象特定工事の届出を確認する
大気汚染防止法第18条の17第1項では、届出対象特定工事について、発注者または自主施工者が作業開始の日の14日前までに都道府県知事へ届出を行うことが定められています。発注者は、着工日だけを確認するのではなく、対象、期限、提出先、確認先を工程表に分けて記録します。
同法の現行法施行日は2026-07-01、改正公布日は2026-05-22、確認日は2026-09-05です。法令の本文はe-Govの大気汚染防止法で確認できます。個別工事が届出対象になるかの判断は、工事内容、調査結果、所管窓口の案内に応じて確認します。

調査と届出を別に確認する
大気汚染防止法第18条の15第1項では、解体等工事の元請業者が事前調査を行い、発注者へ書面を交付して説明することが定められています。発注者は、調査の説明を受ける日と、届出の確認を行う日を別に置きます。調査を行う主体と届出の主体を同じものとして扱わないことが重要です。
書面を受け取ったときは、資料名、説明を受けた相手、工事範囲との対応、未確認事項を記録します。調査結果が工程や範囲に影響する可能性がある場合は、当初の範囲表を残し、変更の確認先と判断予定を追加します。石綿事前調査の義務と対象も制度情報の確認先になります。
着工前の記録を整理する
着工前の案件記録には、工事範囲、調査結果の説明、届出の確認、社内の判断を分けて置きます。項目を一つの「石綿対応」としてまとめると、どの確認が終わっていないかを判断しにくくなります。発注者は、資料と確認先を一行ずつ対応させます。
調査結果の説明を範囲表と照らす
範囲表には、解体する建物、設備、外構、残す対象、確認中の対象を分けて記録します。調査結果の書面を受け取った後は、建物側の対象と範囲表を照らし、図面と現況に差がある場合は確認先を残します。土地に関する確認を同じ欄にまとめず、資料の種類と確認先を分けます。
発注者は、調査の実施内容を独自に判断するのではなく、元請業者から説明を受けた事項を記録します。結果を確認中の場合は、確認済みのように扱わず、確認先と判断予定を工程表へ記載します。着工前に資料を探し直さないために、書面の保管先も決めます。

届出の確認先と期限を残す
届出の確認では、対象、発注者または自主施工者という主体、作業開始の日の14日前、都道府県知事という提出先を同じ行に記録します。施工側から受ける調査の説明とは別に、届出の確認先と確認日を残します。工事場所の所管窓口への確認が必要な場合は、その窓口と確認内容を記録します。
手続の進行を口頭の連絡だけで管理すると、期限や提出先の確認が抜けやすくなります。解体工事の届出一覧で手続名、義務者、期限、提出先を整理し、案件では確認した資料の所在を残します。工程が変わったときは、変更日と確認先を追加します。
工程変更時の確認を残す
工事範囲や工程が変わった場合は、調査結果の説明、届出の確認、社内の判断のどれに影響するかを見直します。発注者は、変更の結論を工程表だけで決めず、施工側と所管窓口への確認が必要な項目を分けます。変更前の資料も保管します。
変更した範囲を記録する
変更記録には、変更した対象、変更日、説明を受けた相手、工程に影響する期間、確認先を残します。解体範囲の変更があれば、当初の範囲表と変更後の記録を並べ、どの資料と照らしたかを記録します。未確認の対象は、対象外と断定しません。
発注者は、施工側の調査や手続を代行するのではなく、説明を受けた記録と確認先を整理します。社内で判断が必要な事項は、施工側の確認事項と分け、判断者と判断日を残します。これにより、担当者が交代しても確認経過を追えます。
届出の確認では、解体工事と大気汚染防止法で事前調査と届出の主体を分けて確認します。解体前の石綿事前調査も参照し、調査結果の書面と工程の記録を対応付けます。

周辺対応とは別に記録する
周辺への説明計画では、作業予定、搬出経路、問合せの確認先などを整理します。届出対象特定工事の届出は、提出先や主体が定められた別の確認事項です。説明の計画と届出の確認を一つのファイルに混在させず、資料名、確認日、確認先を分けて保管します。
環境省の石綿飛散防止対策の案内も制度情報の確認先です。案件の判断は、工事内容、調査結果、所在地の所管窓口の案内に応じて確認します。発注者は、確認中の事項に確認先と判断予定を付け、完了時にも当初記録と照らします。

確認記録を引き継ぐ
確認内容を一覧にする
確認記録には、資料名だけでなく、どの対象と照らしたか、確認した日、確認先、判断を終えた担当を残します。資料を受け取った時点と内容を確認した時点が異なる場合は、二つの日を分け、確認に用いた資料の保管先と版も併記します。
対象が建物、設備、外構、地中などにまたがる場合は、範囲表のどの行を確認したかも記録します。確認済みという印だけで管理すると、何を根拠にしたか、どの資料が未確認かを後から確認しにくくなります。
変更時の経過を残す
対象や工程に変更があった場合は、変更前の記録を消さず、差分、変更日、影響する確認項目、確認先を追加します。説明を受けた日と社内で判断した日を分けておくと、施工側の確認事項と発注側の判断を混同せずに済みます。
契約上の相手、施工側の確認先、所管窓口、社内の判断者が異なる場合は、役割を同じ欄にまとめません。誰が実務を担うかと、発注者が資料を確認する範囲を区別し、未確認事項には判断予定を付けます。
完了時の照合につなぐ
担当者の交代時には、未確認事項、確認先、判断予定、資料の保管先を引き継ぎます。口頭の連絡だけに頼らず、範囲表、工程表、条件表のどの資料を更新したかを案件記録に残します。
完了時には、当初の条件、工事中の変更、受領資料を照らし、どの項目を確認したかを記録します。必要な判断が残るときは確定したように扱わず、確認先と次の確認時点を明記します。
資料を確認した後に新しい情報が出た場合は、元の資料、追加資料、確認した相手、確認日を同じ案件記録で結び付けます。結論だけを更新せず、どの条件が変わったかを残すことで、着工前の判断と完了時の照合を継続できます。確認が必要な事項は、確認先と判断予定を明確にします。
まとめ
14日前届出の確認では、元請業者の事前調査と説明、発注者または自主施工者の届出、発注側の工程記録を分けます。法令・届出の確認、解体工事の届出一覧、記事一覧を参照し、着工前に確認先と資料の所在を整理してください。
よくある質問
- Q. 14日前の届出は誰が行いますか
- 届出対象特定工事の届出は、大気汚染防止法第18条の17第1項により発注者または自主施工者が、作業開始の日の14日前までに都道府県知事へ行います。対象となるかは工事内容と調査結果を踏まえ、所管窓口と施工側へ確認します。
- Q. 事前調査と届出は同じ手続ですか
- 同じではありません。大気汚染防止法第18条の15第1項の事前調査と書面説明は元請業者が行い、第18条の17第1項の届出は発注者または自主施工者が行います。発注側の記録では、説明を受けた日と届出の確認日を分けます。
- Q. 工程が変わったら何を確認しますか
- 変更した範囲、変更日、調査結果の説明への影響、届出に関する確認先、社内の判断者を記録します。変更前の範囲表と工程表を残し、施工側や所管窓口へ確認した事項を案件記録に追加します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.大気汚染防止法(laws.e-gov.go.jp)
- 2.環境省 石綿飛散防止対策(env.go.jp)