土壌調査の結果を解体工事の発注条件へ反映する確認項目
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
土地側の確認結果を受け取った後は、結果を保管するだけでなく、解体工事の発注条件にどの資料を反映するかを整理します。発注者は、土地利用に関する資料、土地の条件、工事範囲、工程、未確認事項を建物側の石綿確認とは別に記録します。土地側の確認を、解体範囲や工程の判断へどのようにつなぐかを明確にします。

土地側の確認結果を整理する前提
土地側の確認では、土地利用に関する資料、既存の記録、所管窓口や専門家に確認する事項を整理します。発注者は、建物側の解体範囲と土地側の条件を一つの「調査済み」としてまとめず、資料の種類、確認先、確認日を別の欄に残します。確認結果を工事の条件に反映する前に、どの資料を根拠にするかを確認します。
| 確認する資料 | 発注条件へ反映する項目 | 確認する相手 | 記録する内容 |
|---|---|---|---|
| 土地利用に関する資料 | 土地側の確認範囲 | 所管窓口、専門家 | 資料名、確認日、確認先 |
| 工事範囲表 | 建物・外構・地中の対象 | 社内担当、施工側 | 対象、対象外、未確認事項 |
| 工程表 | 確認と判断の時点 | 社内の判断者 | 判断日、変更日、影響する工程 |
| 条件表 | 契約時に確認する事項 | 契約上の相手 | 条件、資料の保管先、確認先 |
土地側の資料と確認先を確認する
土壌汚染対策法第4条第1項には、一定の場合における土地の形質の変更に関する届出の仕組みが定められています。発注者は、土地側の条件を工事範囲だけで判断せず、土地の所在地に応じた所管窓口や専門家への確認事項を整理します。確認した日、確認先、資料の所在を案件記録に残します。
同法の現行法施行日は2026-07-01、改正公布日は2026-05-22、確認日は2026-09-05です。規定はe-Govの土壌汚染対策法で確認できます。個別案件への適用は、土地の状況、工事の内容、所管窓口の案内に応じて確認します。

建物側の確認と混同しない
石綿に関する確認は建物側の対象、調査結果の書面、元請業者からの説明に関わるものです。土壌に関する確認は土地側の資料と確認先に関わるものです。発注者は、同じ工事の案件記録であっても、二つの対象を同じ一覧の一行にまとめません。
たとえば、基礎コンクリートと杭の扱いを検討する場合も、建物側の範囲表、土地側の確認資料、工程への影響を分けます。土地側の資料が不足しているときは、建物側の調査結果だけで補わず、確認先と判断予定を条件表に残します。土壌汚染調査が必要になる場面も制度情報の確認先になります。
発注条件へ反映する確認項目
確認結果を発注条件へ反映するときは、解体範囲、工程、契約時に確認する資料、未確認事項を分けます。発注者は、土地側の条件がどの工事対象と関係するかを範囲表に記録し、変更があった場合に当初資料を見返せる状態にします。
工事範囲と工程を見直す
範囲表には、建物、設備、外構、地中、残す対象、確認中の対象を分けて記載します。土地側の確認によって確認事項が増えた場合は、当初の範囲表を消さず、変更した対象、変更日、確認先を追加します。対象が未確認のときは、対象外と断定せず、確認先を明確にします。
工程表には、土地側の資料を受け取る日、所管窓口や専門家へ確認する日、社内で判断する日、条件変更を共有する日を分けて置きます。施工側の作業予定と発注側の判断予定を一つにすると、確認が残る箇所を見落としやすくなります。変更の影響する工程を記録します。

未確認事項を条件表に残す
未確認事項には、土地利用に関する資料の不足、所管窓口へ確認する事項、地中の対象、社内で判断する条件などがあります。発注者は、未確認という状態だけを記載せず、確認先、判断予定、工程に影響する可能性を条件表に残します。確認が終わったときは、確認日と判断内容を追加します。
条件表は、施工側の作業手順を発注者が決めるためのものではありません。発注者が説明を受け、社内で判断し、契約条件と資料の関係を確認するための記録です。契約の相手、土地側の確認先、社内の判断者が異なる場合は、役割を分けて記載します。
完了資料と確認記録をつなぐ
土地側の確認結果を条件表に反映した後も、工事中の変更や完了時の資料確認が必要になります。発注者は、当初の土地側の資料、範囲表、工程表、変更記録、完了時に受け取る資料を案件記録でつなげます。工事後に資料を探し直さないよう、受領先と保管先を決めます。
変更の経過を残す
変更記録には、変更した対象、変更日、土地側の確認先、工程への影響、どの条件表を更新したかを残します。土地側の資料を受け取った時点の記録を消さず、変更後の判断と並べて保管します。発注者は、所管窓口や専門家に確認した事項を記録し、確認中の項目には判断予定を付けます。
工事範囲に変更があった場合は、建物側の記録と土地側の記録を別に見直します。担当者が交代しても、どちらの資料に基づく確認かが分かるように、資料名と確認日を残します。発注条件を更新した際は、更新した日と担当を記録します。
土地側の条件は、解体に伴う土壌汚染調査で確認する資料と合わせて整理します。解体工事の施工範囲を確認する方法も参照し、工事範囲へ影響する項目を範囲表へ記録します。解体前の石綿調査と土壌調査と照らし、建物側と土地側の確認記録を分けます。

完了時に照合する資料を決める
着工前から、完了時に確認する資料、受領する相手、保管先を一覧にします。完了時には、土地側の資料、範囲表、条件表、変更記録、受領資料を照らし、どの条件を確認したかを残します。資料名だけを保管せず、どの工事範囲・土地側の条件と関係するかを記録します。
環境省の土壌汚染対策の案内も確認先になります。個別の判断は、土地の状況、工事内容、所管窓口や専門家の案内に応じて確認します。発注者は、一般情報だけで案件の結論を決めず、確認先と確認日を条件表に残します。

確認記録を引き継ぐ
確認内容を一覧にする
確認記録には、資料名だけでなく、どの対象と照らしたか、確認した日、確認先、判断を終えた担当を残します。資料を受け取った時点と内容を確認した時点が異なる場合は、二つの日を分け、確認に用いた資料の保管先と版も併記します。
対象が建物、設備、外構、地中などにまたがる場合は、範囲表のどの行を確認したかも記録します。確認済みという印だけで管理すると、何を根拠にしたか、どの資料が未確認かを後から確認しにくくなります。
変更時の経過を残す
対象や工程に変更があった場合は、変更前の記録を消さず、差分、変更日、影響する確認項目、確認先を追加します。説明を受けた日と社内で判断した日を分けておくと、施工側の確認事項と発注側の判断を混同せずに済みます。
契約上の相手、施工側の確認先、所管窓口、社内の判断者が異なる場合は、役割を同じ欄にまとめません。誰が実務を担うかと、発注者が資料を確認する範囲を区別し、未確認事項には判断予定を付けます。
完了時の照合につなぐ
担当者の交代時には、未確認事項、確認先、判断予定、資料の保管先を引き継ぎます。口頭の連絡だけに頼らず、範囲表、工程表、条件表のどの資料を更新したかを案件記録に残します。
完了時には、当初の条件、工事中の変更、受領資料を照らし、どの項目を確認したかを記録します。必要な判断が残るときは確定したように扱わず、確認先と次の確認時点を明記します。
資料を確認した後に新しい情報が出た場合は、元の資料、追加資料、確認した相手、確認日を同じ案件記録で結び付けます。結論だけを更新せず、どの条件が変わったかを残すことで、着工前の判断と完了時の照合を継続できます。確認が必要な事項は、確認先と判断予定を明確にします。
まとめ
土壌調査に関する結果は、土地側の資料、解体範囲、工程、未確認事項を分けて発注条件へ反映します。法令・届出の確認、土壌汚染調査が必要になる場面、記事一覧を参照し、土地側の確認記録と工事条件をつなげてください。
よくある質問
- Q. 土地側の確認結果はどの資料に反映しますか
- 土地利用に関する資料や確認記録は、工事の範囲表、条件表、工程表、完了時に照合する資料の一覧と結び付けます。資料名、確認日、確認先、対応する工事範囲、未確認事項、保管先を案件記録に残します。
- Q. 石綿の調査結果と同じ欄で管理できますか
- 管理しません。石綿は建物側の対象と元請業者からの説明、土壌は土地側の資料と所管窓口・専門家への確認を分けます。対象、資料、確認先、確認日、工程への影響を別々に記録します。
- Q. 資料が不足している場合はどうしますか
- 資料がないことを条件が不要という結論にせず、どの土地側の資料が不足しているか、確認先、判断予定、工程への影響を条件表に残します。所管窓口や専門家へ確認した場合は、確認日とどの資料へ反映したかも記録します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
- 2.環境省 土壌汚染対策(env.go.jp)