解体工事の届出一覧|発注者・施工者別に期限と提出先を確認
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
解体工事の届出一覧|発注者・施工者別に期限と提出先を確認
解体工事の届出は手続ごとに義務者と期限が異なるため、発注者・元請・施工者の役割を一覧で分けて確認します。工事の規模、石綿の調査結果、使用する機械、土地条件によって確認する制度は変わります。発注側では、誰が何日前までにどこへ届け出るかと、受け取る書面を別々に記録することが重要です。
解体工事の届出とは
解体工事に関する手続は、一つの届出で完了するものではありません。工事の対象、作業内容、施工場所に応じて、発注者、元請業者、施工者がそれぞれの制度を確認します。

一覧表を義務者と期限で読む
次の表は、発注前に確認する主な手続を役割と期限で整理したものです。個別の該当判断は施工場所の所管窓口や専門家へ確認し、表だけで対象外と判断しないでください。
| 手続 | 主な義務者 | 期限・確認時点 | 提出先または確認先 |
|---|---|---|---|
| 建設リサイクル法の届出 | 発注者または自主施工者 | 工事着手日の7日前まで | 都道府県知事 |
| 石綿事前調査 | 解体・改修を行う事業者 | 作業前 | 調査記録・発注者への説明 |
| 石綿事前調査結果の報告 | 元請業者 | 作業前 | 所轄労働基準監督署長 |
| 届出対象特定工事の届出 | 発注者または自主施工者 | 作業開始日の14日前まで | 都道府県知事 |
| 騒音・振動の特定建設作業の届出 | 施工者 | 作業開始日の7日前まで | 市町村長 |
| 土地の形質変更の届出 | 形質変更をしようとする者 | 着手日の30日前まで | 都道府県知事 |
建設リサイクル法の根拠は第9条・第10条・第12条・第13条・第18条、現行法施行日は2025-06-01、同施行令の現行版施行日は2025-04-01、確認日は2026-09-05です。e-Govの建設リサイクル法と同施行令で確認できます。期限が同じ7日前でも、義務者と提出先が異なる制度があるため、日数だけでまとめないでください。
発注者が確認する主な手続
発注者は、対象建設工事の届出と、石綿を含む届出対象特定工事の届出を混同しないようにします。受注者から受け取る説明や契約書面も、発注者側の確認順に整理します。

建設リサイクル法の届出と契約前の説明
建設リサイクル法第10条第1項では、対象建設工事の発注者または自主施工者が、工事着手日の7日前までに都道府県知事へ届け出ます。建築物の解体は床面積80平方メートル以上、建築物以外の工作物の解体は請負代金500万円以上が規模基準です。根拠は同法第9条と同施行令第2条で、現行法施行日は2025-06-01、施行令施行日は2025-04-01、確認日は2026-09-05です。
対象建設工事では、受注者が契約前に分別解体等の計画を書面で発注者へ説明し、請負契約書面に方法・費用等を記載します。再資源化等の完了後は元請業者が発注者へ書面で報告します。根拠は建設リサイクル法第12条・第13条・第18条であり、届出を誰かに任せるかではなく、発注者が何を確認するかを分けておく必要があります。
石綿を含む届出対象特定工事の届出
大気汚染防止法第18条の17第1項では、届出対象特定工事の発注者または自主施工者が、特定粉じん排出等作業の開始日の14日前までに都道府県知事へ届け出ます。届出には、工事場所、特定建築材料の種類・使用箇所・使用面積、作業の期間・方法などを記載し、配置図等を添付します。現行法・同施行規則の施行日は2026-07-01、確認日は2026-09-05です。e-Govの大気汚染防止法で根拠を確認できます。
この届出は、元請業者が行う石綿事前調査結果の報告とは別の手続です。発注者は、調査結果の説明、届出の要否、作業開始日を同じ予定表で確認すると、14日前と7日前の期限を区別できます。書類の作成や個別の該当判断は、所管窓口や専門家へ確認してください。
元請・施工者が行う主な手続
発注者が受け取る書面には、元請業者や施工者が行う手続を前提にしたものがあります。役割を確認しておくと、依頼先に求める資料と、発注者自身が行う届出を混同しにくくなります。

石綿事前調査の実施と報告
石綿障害予防規則第3条では、建築物・工作物・鋼製船舶の解体または改修を行う事業者が、規模にかかわらず事前調査を行います。調査は設計図書等の書面確認と目視で行い、結果は調査終了日から3年間保存し、作業場に掲示・備え置きます。現行版施行日は2026-04-01、改正公布日は2026-01-20、確認日は2026-09-05です。e-Govの石綿障害予防規則を確認先にします。
同規則第4条の2では、建築物の解体で床面積80平方メートル以上などの規模要件に当たる場合、元請業者が作業前に所轄労働基準監督署長へ報告します。調査義務と報告義務は対象が同じではありません。発注者は、調査結果、報告対象かどうか、説明を受けた日を別の欄に残します。
騒音・振動に関する届出の確認
指定地域内で特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、騒音規制法第14条と振動規制法第14条により、作業開始日の7日前までに市町村長へ届け出ます。騒音では定格出力80キロワット以上のバックホウ、振動では手持式を除くブレーカーなどが特定建設作業に含まれます。両施行令の現行版施行日は2022-12-01、騒音規制法の現行法施行日は2026-07-01、振動規制法の現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05です。
施工場所が指定地域かどうかは自治体で確認します。発注者は、施工者が確認する作業と、建設リサイクル法で発注者が届け出る対象建設工事を別の行に置いてください。同じ解体工事でも、制度ごとに義務者が異なります。
土地条件と期限を確認する
基礎撤去、杭抜き、掘削、整地を予定する場合は、建物の届出とは別に土地の形質変更に関する条件を確認します。対象面積や区域指定によって期限が変わるため、工事着手日だけで予定を組まないことが必要です。

土壌に関する届出の確認点
土壌汚染対策法第4条第1項では、一定規模以上の土地の形質変更をしようとする者が、着手日の30日前までに都道府県知事へ届け出ます。施行規則第22条の対象規模は原則3,000平方メートル以上で、現に有害物質使用特定施設がある、または使用が廃止された有害物質使用特定施設に係る工場・事業場の敷地では900平方メートル以上です。現行法・同施行規則の施行日は2026-07-01、確認日は2026-09-05です。
形質変更時要届出区域では、同法第12条第1項により着手日の14日前までの届出という別の条件があります。工事のどの作業が該当するかを個別に判断せず、基礎撤去や掘削の予定、面積、区域指定、着手予定日を所管窓口や専門家へ確認してください。e-Govの土壌汚染対策法が確認先です。
手続に適合しない場合の対応の流れ
制度ごとに、行政上の助言・勧告・命令を経る場合と、届出をしないこと自体に罰則が定められている場合があります。すべてを同じ順番で扱うのではなく、対象となる制度と義務者を確認してください。

法令ごとに異なる助言・勧告・命令等を確認する
建設リサイクル法で分別解体等が基準に適合しない場合は、都道府県知事の助言・勧告、命令、命令違反への罰則という段階で対応されます。根拠は同法第14条・第15条・第49条で、命令違反には50万円以下の罰金が定められています。一方、同法第10条の届出をせず、または虚偽の届出をした場合は、第51条第1号により20万円以下の罰金が定められ、勧告の段階を経る制度ではありません。
騒音・振動の作業基準では、市町村長の改善勧告、改善命令、命令違反への罰則という段階があります。石綿関係の手続も、対象となる義務や罰則の経路が異なります。個別の事案への当てはめは、所管窓口や専門家へ相談してください。
よくある質問
建設リサイクル法の届出は誰が行いますか。
対象建設工事では、発注者または自主施工者が工事着手日の7日前までに都道府県知事へ届け出ます。根拠は建設リサイクル法第10条第1項で、現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05です。e-Govの建設リサイクル法で確認できます。
石綿の事前調査と届出は同じ手続ですか。
同じではありません。石綿障害予防規則第3条の事前調査、同規則第4条の2の報告、大気汚染防止法第18条の17の届出は、対象と義務者が異なります。出典はe-Govの石綿障害予防規則とe-Govの大気汚染防止法、確認日は2026-09-05です。
地域によって確認することは変わりますか。
騒音・振動の指定地域や建設リサイクル法の条例による上乗せ基準などは、施工場所の自治体で確認します。全国一律の表だけで該当しないと判断せず、工事場所と作業内容を伝えて確認してください。根拠となる法令の確認日は2026-09-05です。
まとめ
解体工事の手続は、発注者、元請業者、施工者が確認する事項を分け、工事着手日から逆算して予定表へ置くことが基本です。届出の控え、契約前の説明、調査結果、完了報告を同じ案件の記録として保管すると、確認漏れを見つけやすくなります。法令・手続き解説の一覧、記事一覧、お問い合わせも確認の入口として利用できます。
出典
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)(laws.e-gov.go.jp)
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令(laws.e-gov.go.jp)
- 石綿障害予防規則(laws.e-gov.go.jp)
- 大気汚染防止法(laws.e-gov.go.jp)
- 大気汚染防止法施行規則(laws.e-gov.go.jp)
- 土壌汚染対策法(laws.e-gov.go.jp)
- 土壌汚染対策法施行規則(laws.e-gov.go.jp)
- 騒音規制法(laws.e-gov.go.jp)
- 騒音規制法施行令(laws.e-gov.go.jp)
- 振動規制法(laws.e-gov.go.jp)
- 振動規制法施行令(laws.e-gov.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。解体工事の発注に関わる建設業許可・解体工事業登録・建設リサイクル法の手続きと費用構造について、e-Gov・国土交通省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
kaitaikoji-hikaku.comは、YDAIコンサルティング株式会社が運営する情報メディアです。掲載情報の収録基準・出典の考え方は情報の収録基準と運営方針をご覧ください。
掲載内容に誤りや古い情報を見つけられた場合は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。内容を確認のうえ対応します。