解体工事業の許可と登録の違い|500万円の境界を発注者が確認する方法
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
解体工事業の許可と登録の違い|500万円の境界を発注者が確認する方法
解体工事では、工事1件の請負代金が500万円以上なら解体工事業の建設業許可が必要で、500万円未満でも許可がなければ解体工事業登録を確認します。発注者は金額だけでなく、許可の業種、工事を行う区域、名簿の確認日を一緒に記録すると、制度の区分を読み違えにくくなります。許可と登録は、どちらか一方の名称だけを確認すればよい制度ではありません。
解体工事業の許可と登録とは
建設業許可と解体工事業登録は、解体工事を行う事業者に関係する別の制度です。許可の要否と登録の要否を分けて確認し、発注者は確認日と出典名簿を残します。

二つの制度を早見表で分ける
| 確認する区分 | 発注者が見る条件 | 確認の要点 |
|---|---|---|
| 解体工事業の建設業許可 | 工事1件の請負代金が500万円以上 | 許可業種と確認日を記録する |
| 解体工事業登録 | 500万円未満で、対象となる建設業許可がない | 施工区域を管轄する都道府県の登録を確認する |
| 登録が不要となる許可 | 土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可 | 登録の免除となる業種を確認する |
建設業法第3条第1項から第3項では、解体工事業を業種とする許可と更新の枠が定められています。建設リサイクル法第21条第1項・第2項・第5項では、許可を受けた者を除く解体工事業者の登録、5年ごとの更新、一定の許可取得による登録失効を確認できます。許可と登録の対象を混同せず、工事ごとの条件を確認します。
e-Gov「建設業法」は2025-12-12施行の現行版、e-Gov「建設業法施行令」は2026-04-01施行の現行版、e-Gov「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」は2025-06-01施行の現行版で、それぞれ2026-09-05に確認しました。建設業法の改正公布日は2024-06-14、建設業法施行令は2025-12-12、建設リサイクル法は2022-06-17です。
500万円の境界を確認する
500万円の境界は、見積の表示額だけを見て判断するものではありません。請負代金に含める範囲、契約の分け方、注文者が材料を支給する場合を順に確かめます。

税込額と分割契約を含めて見る
建設業法施行令第1条の2第1項から第3項では、軽微な建設工事の範囲を定め、解体工事は工事1件の請負代金が500万円未満とされています。国土交通省「建設業の許可とは」は、この金額に消費税及び地方消費税を含むと案内しています。e-Gov「建設業法施行令」と国土交通省資料を2026-09-05に確認しました。
同一の事業者が二つ以上の契約に分けて請け負う場合は、正当な理由による分割を除き、各契約の合計額で確認します。金額を小分けにした見積書の形式だけでなく、工事として何を一体で依頼するのかを確認記録に残します。個別の契約が合算対象になるかは、契約内容を踏まえて所管窓口や専門家へ確認してください。
注文者が材料を支給する場合の確認

注文者が材料を提供する場合は、その市場価格、または市場価格に運送賃を加えた額を請負代金の額に加えて確認します。この扱いは建設業法施行令第1条の2第3項に示されており、500万円の境界を請負契約書の記載額だけで見ない理由の一つです。根拠はe-Gov「建設業法施行令」の2026-04-01施行の現行版で、2026-09-05に確認しました。
発注者の確認表には、請負代金の税込額、分割された契約の有無、支給材料の有無を別欄で記録します。許可の有無を判断するための申請手順や個別事業者の適否を決めるものではなく、発注内容を確認するための記録として扱います。
発注者が確認する許可・登録の項目
発注者は、金額の区分に加えて、許可の業種または登録、施工区域、出典名簿、確認日を同じ記録に残します。一度の確認結果を将来の別工事へそのまま当てはめず、工事ごとに確認します。

許可業種と施工区域を確認する
建設業法第3条第1項では、二つ以上の都道府県に営業所を設ける場合は国土交通大臣、1の都道府県内だけに営業所を設ける場合は都道府県知事の許可とされています。発注者が見るときは、解体工事業の許可であること、許可の確認日、確認に用いた公的な情報を記録します。根拠はe-Gov「建設業法」の2025-12-12施行の現行版で、2026-09-05に確認しました。
500万円未満の解体工事で対象となる建設業許可がない場合は、建設リサイクル法第21条に基づき、工事を行う区域を管轄する都道府県知事の解体工事業登録を確認します。複数の都道府県で施工する場合は、区域ごとに登録が必要になるため、工事場所と登録の確認先を対応付けます。e-Gov「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」の2025-06-01施行の現行版を2026-09-05に確認しました。
登録の更新と出典名簿の基準日を見る

建設リサイクル法第21条第2項では、解体工事業登録は5年ごとに更新すると定められています。同条第5項では、登録を受けた者が土木工事業、建築工事業、または解体工事業に係る建設業許可を受けたとき、登録が失効することを定めています。根拠はe-Gov「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」の2025-06-01施行の現行版で、2026-09-05に確認しました。
確認記録には、工事名、工事場所、請負代金の確認日、許可業種または登録、出典名簿の名称、名簿を見た日を残します。名簿の確認は、特定の事業者を評価するためではなく、発注内容と制度区分の照合を行うためのものです。
制度に適合しない場合の対応の流れ
許可・登録に関する対応は、制度ごとに根拠条文と段階が異なります。発注者は、特定の事業者について結論を出すのではなく、確認できた情報と確認日を記録し、疑問点を所管窓口や専門家へ確認します。
指示・停止・取消し等の段階
建設業法第28条第1項・第3項、第29条では、許可業者に法令違反等がある場合、指示処分、指示に従わないとき等の1年以内の営業停止命令、許可の取消しという監督処分の段階が定められています。無許可で建設業を営んだ場合は、別に同法第47条第1項第1号で3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金が定められています。根拠はe-Gov「建設業法」の2025-12-12施行の現行版で、2026-09-05に確認しました。
建設リサイクル法第35条第1項では、登録業者に対する登録の取消しまたは6月以内の事業停止命令が定められています。無登録で解体工事業を営むこと、不正な手段で登録を受けること、事業停止命令に違反して営業することは、同法第48条で1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象とされています。個別の事実関係に当てはめる判断は、所管窓口や専門家へ確認してください。
解体工事業が許可業種として新設された際の経過措置は終了しています。とび・土工工事業の許可で解体工事業を営めた期間は2019-05-31まで、同業種の技術者を解体工事業の技術者とみなす取扱いは2021-03-31まででした。根拠は改正法附則第3条第1項と国土交通省「解体工事の追加に伴う経過措置について」で、2026-09-05に確認しました。
よくある質問
500万円未満なら何も確認しなくてよいですか。
いいえ。500万円未満の解体工事でも、対象となる建設業許可がなければ、施工区域を管轄する都道府県の解体工事業登録を確認します。建設リサイクル法第21条第1項は登録の対象を定め、土木工事業・建築工事業・解体工事業に係る建設業許可を受けた者を除外しています。根拠はe-Gov「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」の2025-06-01施行の現行版で、2026-09-05に確認しました。
金額は税抜きで判断しますか。
建設業法施行令第1条の2に基づく軽微な建設工事の金額は、消費税及び地方消費税を含めて確認します。解体工事では工事1件の請負代金が500万円未満かが区分の一つであり、分割契約と支給材料の扱いも併せて確認します。根拠はe-Gov「建設業法施行令」と国土交通省「建設業の許可とは」で、2026-09-05に確認しました。
複数の都道府県で工事をする場合は何を見ますか。
500万円未満で対象となる建設業許可がない場合は、施工する区域を管轄する都道府県ごとの解体工事業登録を確認します。登録は都道府県ごとの制度で、複数の県で施工するなら区域ごとに必要です。根拠は建設リサイクル法第21条第1項・第2項のe-Gov現行版で、2026-09-05に確認しました。
まとめ
許可と登録の確認は、500万円の境界だけで終えず、税込額、分割契約、支給材料、許可業種、施工区域、名簿の確認日を一緒に見ることが要点です。経過措置は終了しているため、現在の工事は現行の許可・登録の区分で確認します。解体工事の届出一覧|発注者・施工者別に期限と提出先を確認、法令・手続き解説カテゴリ、お問い合わせフォームも確認の入口として利用できます。
出典
- 建設業法(laws.e-gov.go.jp)
- 建設業法施行令(laws.e-gov.go.jp)
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)(laws.e-gov.go.jp)
- 建設業の許可とは(mlit.go.jp)
- 解体工事の追加に伴う経過措置について(hrr.mlit.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。解体工事の発注に関わる建設業許可・解体工事業登録・建設リサイクル法の手続きと費用構造について、e-Gov・国土交通省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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