建設リサイクル法の届出|発注者が確認する対象・期限・受け取る書面
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
建設リサイクル法の届出|発注者が確認する対象・期限・受け取る書面
建設リサイクル法の対象建設工事では、発注者または自主施工者が工事着手日の7日前までに届出を行います。対象かどうかは、建築物や工作物の種類、規模、特定建設資材を用いた工事かで確認します。発注者は届出だけでなく、契約前の書面説明、請負契約書面、工事完了後の報告を段階ごとに受け取ります。
建設リサイクル法の届出とは
建設リサイクル法の届出は、対象建設工事について分別解体等の計画を確認する手続です。届出義務者と、実際に分別解体等を行う義務者は異なるため、発注者と受注者の役割を分けて理解します。

対象工事と届出義務者の早見表
建設リサイクル法第9条第1項では、対象建設工事の受注者または自主施工者に分別解体等の実施を求めています。一方、同法第10条第1項で届出を行うのは発注者または自主施工者です。受注者が契約前に説明をしていても、届出義務者が発注者である点は別に確認します。
| 工事の区分 | 規模基準 | 主な義務者 |
|---|---|---|
| 建築物の解体 | 床面積の合計80平方メートル以上 | 届出は発注者または自主施工者 |
| 建築物の新築・増築 | 床面積の合計500平方メートル以上 | 届出は発注者または自主施工者 |
| 建築物の修繕・模様替等 | 請負代金1億円以上 | 届出は発注者または自主施工者 |
| 建築物以外の工作物の解体等 | 請負代金500万円以上 | 届出は発注者または自主施工者 |
特定建設資材は、コンクリート、コンクリート及び鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートです。根拠は建設リサイクル法第9条、同施行令第1条・第2条で、現行法施行日は2025-06-01、改正公布日は2022-06-17です。同施行令の現行版施行日は2025-04-01、改正公布日は2024-04-19で、確認日は2026-09-05です。e-Govの建設リサイクル法と同施行令で確認できます。
発注者が確認する対象と期限
発注者は、対象工事の規模を確認し、着手日から逆算して届出の予定を組みます。届出事項を変更する場合にも期限があるため、工事範囲や工程が変わったときは早めに確認します。

建築物と工作物の規模基準
建築物の解体は、床面積の合計80平方メートル以上が規模基準です。建築物以外の工作物の解体等は、請負代金500万円以上が規模基準になります。複数の契約に分けて請け負う場合は、正当な理由による分割を除いて合算して判断します。
規模基準は、都道府県の条例でより厳しい基準が定められることがあります。発注者は、建物の種類、床面積、工作物かどうか、契約の分け方を記録し、施工場所の自治体で上乗せ基準の有無を確認してください。個別の対象判断は所管窓口や専門家へ確認します。
工事着手日の7日前までに確認する事項
建設リサイクル法第10条第1項では、発注者または自主施工者が工事に着手する日の7日前までに、建築物等の構造、工事着手の時期・工程の概要、分別解体等の計画、建設資材の量の見込みなどを都道府県知事へ届け出ます。届出事項のうち定められた事項を変更するときも、同条第2項により着手日の7日前までに届出が必要です。根拠法の確認日は2026-09-05です。
届出を受けた都道府県知事は、分別解体等の計画が基準に適合しないと認めるとき、受理した日から7日以内に限り変更等を命じることができます。根拠は同法第10条第3項です。届出の作成を誰が補助するかではなく、発注者として提出時期と届出内容を確認することが出発点になります。

契約前から工事完了までの流れ
届出の対象かを確認した後も、発注者は受注者からの説明、契約書面、完了後の報告を受け取ります。見積と書面の対象範囲を照らし、同じ工事を説明しているかを確認します。

受注者から受け取る事前説明
建設リサイクル法第12条では、受注者が対象建設工事の契約を締結する前に、分別解体等の計画等を書面で発注者へ説明します。発注者は、解体する建築物等の構造、分別解体等の方法、再資源化等をする施設の名称・所在地、費用などを、見積の対象範囲と照合します。説明を受けた日と、確認に使った資料も残しておくと後から見直しやすくなります。
調査結果や現地確認によって未確定の項目がある場合は、確定済みの範囲と混ぜずに記録します。説明書面に記載された内容と見積の範囲に違いがあるときは、契約前に確認してください。法令上の個別の判断や書類作成については、所管窓口や専門家へ確認します。
契約書面と完了報告を確認する
建設リサイクル法第13条では、請負契約書面に分別解体等の方法・費用等を記載します。発注者は、見積にある仮設、解体・撤去、運搬・処分などの範囲と、契約書面の記載を同じ確認表で照合します。対象外の作業や未確定事項がある場合も、どの書面で確認するかを分けます。
再資源化等が完了したときは、同法第18条により元請業者が発注者へ書面で報告します。契約前の説明と契約書面に記録した範囲を、完了時の報告と照合できるように保管してください。根拠は第12条・第13条・第18条で、現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05です。
適合しない場合の対応の流れ
建設リサイクル法では、分別解体等の基準に適合しない場合と、届出をしない・虚偽の届出をした場合で、義務者と対応の系統が異なります。届出を忘れた場合も勧告から始まると受け取らないよう、二つを分けて確認します。

助言・勧告・命令の段階
分別解体等が基準に適合しない場合は、受注者または自主施工者に対し、都道府県知事の助言・勧告、勧告に従わない等の場合の命令、命令違反への罰則という段階で対応されます。根拠は建設リサイクル法第14条・第15条・第49条で、命令違反には50万円以下の罰金が定められています。現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05です。
届出をせず、または虚偽の届出をした場合は、発注者または自主施工者に対し、建設リサイクル法第51条第1号により20万円以下の罰金が定められています。この系統は助言・勧告の段階を経るものではありません。届出義務者と分別解体等の実施義務者を混同せず、工事ごとにどちらの制度を確認するかを整理してください。
発注者の確認記録には、対象工事の規模、着手予定日、届出を確認した日、受け取った説明書面を残します。受注者側の分別解体等の計画と、発注者側の届出内容を同じものとして処理しないことが重要です。制度の適用に迷う場合は、着手日を過ぎる前に所管窓口や専門家へ確認してください。
確認する書面は、届出の控えだけに限りません。見積、契約前の説明、契約書面、完了時の報告を同じ工事範囲で並べ、確認日と未確定事項を記録します。これにより、対象工事の確認と工事後の書面確認を分けて進められます。
よくある質問
届出は受注者が行うものですか。
対象建設工事の届出義務者は、建設リサイクル法第10条第1項により発注者または自主施工者です。受注者は同法第12条により契約前の書面説明を行います。現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05で、出典はe-Govの建設リサイクル法です。
受注者に任せる場合でも発注者は何を確認しますか。
契約前の書面説明、届出内容、請負契約書面、完了後の書面報告を確認します。根拠は建設リサイクル法第12条・第13条・第18条で、現行法施行日は2025-06-01、確認日は2026-09-05です。書面の対象範囲が見積と一致しているかを照合してください。
対象となる規模は全国で同じですか。
法令上の規模基準に加えて、建設リサイクル法第9条第4項により都道府県が条例でより厳しい規模基準を定めることができます。根拠は同法第9条と同施行令第2条で、確認日は2026-09-05です。施工場所の自治体で上乗せ基準の有無を確認してください。
まとめ
建設リサイクル法の届出は、発注者または自主施工者が着手日の7日前までに行い、受注者の説明、契約書面、完了報告と連続して確認します。分別解体等と届出では義務者と対応の流れが異なるため、工事ごとの役割を同じ予定表で整理してください。解体工事の届出一覧、法令・手続き解説の一覧、お問い合わせも確認の入口として利用できます。
出典
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)(laws.e-gov.go.jp)
- 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令(laws.e-gov.go.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。解体工事の発注に関わる建設業許可・解体工事業登録・建設リサイクル法の手続きと費用構造について、e-Gov・国土交通省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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